困っていることがある。
部屋の電灯が、すべて切れてしまったのだ。
私の住む部屋は天井の灯りとして電球が四つと、シーリングファンがついている。入居を決めたときに不動産仲介の人と笑いあったと思う。「シーリングファン、アツいっすねコレ!wwww」「いやシーリングファンですかwwwwこれ、キてますよコレwwwww」などと。
そのシーリングファンは今回関係なくて、それで、さすがに入居当時電球は四つとも点いていたのだが、一年程でうち二つが切れ、また数ヶ月で一つ切れ、そのままどうにか最後の一つでしのいでいた。
クリップライトや安いアッパーライト、オイルランプなど、照明具は結構持っているから、部屋の電灯はあまり点けないようにしていたんだけれど、とうとう昨日、寿命を迎えてしまったのだ。
で、そのタイミングが、『日本怪談百物語』を見終わった直後なんですよ。NHKが
2009年に放送した番組で、NHKオンデマンドにあったものだから、ちょっと見てたのね。リモコンのブラウザ起動ボタンを押して、項目を選んで、番組の購入に同意して、“視聴する”を押したら――
ばつん!テレビとハードディスクの電源が切れてしまった。
実を言うと、ちょうどガスストーブを点灯したタイミングではあったんだけれど、他に使っている電気といえば例のたった一つの電球だけ。これでブレーカーが落ちるわけがない。
10秒もしないうちにテレビの電源は勝手に復旧したし、番組を検索しなおすと他にも面白そうなものがあったので、月額見放題パック(945円)を購入しなおして再度視聴しなおした。
番組自体の長さは3時間25分!
「地域」や「植物」など特定のテーマで続くようにしたり、絵物語の簡単な紹介も1話に含めたりと中だるみさせない構成で100話ぶん、どんどん語られていく。
95話あたりでふと思い立ち、電灯を消し、キャンドルの火だけを灯して視聴することにした。これがまた、やけに雰囲気が出る。
「のっぺらぼう」で始まったものが「置いてけ堀」で終わるというループのような構成が面白かったものの、特に演出することなく番組はあっさりと視聴時間を終え、ブラウザ画面に戻った。
部屋のあかりのスイッチを入れると――
ばつん!一瞬眩しく、白熱色が天井に広がったかと思うと、またすぐに真っ暗になってしまった。
キャンドルは手元で灯したままだったので、そのまま他の照明器具のスイッチを入れた。いまもその状態で生活している。
不便ではないのだけれど、あまりに上手なタイミングで、部屋が空気を読み過ぎてしまったような気がしているのだ。
困っているのは、ロフト付きで、シーリングファンがあるくらい天井の高い部屋だから、……替えられないのだ。電球が。
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