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◆ 最近は、体と生活リズムが壊れてるところです。 (2012/09/23)
 
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「世界樹の迷宮キャラスレまとめサイト」では、中の人だよってしょっちゅう公言してるけど暗黙の了解で同一人物とはされない、みたいな立場を目指しています。

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まんだらけ札幌店に行った。
大判で、ページ数の多めな漫画本を何冊か買ったもので、レジ打ちの際には男性店員さんが、よいしょ、よいしょなどと言いながらバーコード読み取りと袋への詰め込みを行っていた。

そこで、
「重たい本ばかりで、申し訳ない」
と話しかけてしまったのが、運の尽きだった。
店員は、
「いえいえェ、読み応えのある本ばかりで、読書の秋にはうってつけでしょう」
などと人懐っこく返答し、更に聞いてもいないのに――

「まぁ、よいしょよいしょと、言いますのはね。昨日、思い立って腕立て伏せを夜通しやりまして」
「……それは、効いたでしょうねえ」
うっかり、応えてしまった。
「腹筋も200回ほどしましてね。それで、どうも……昔は軽々できたはずなんですが、どうも、ね」
「はぁ――」

ああ、

わかった、

解ったよ、言うよ。

「そちらは、運動の……秋でしたか」

店員さんはにこりと笑って、
「まさにその通りで」
と答えた。


悔ッしい!!!


つまんねえッ!!!


こんな「うまいこと言った的な日常会話」に誘導され、組み込まれてしまうなんてッ!!!!
ああ、屈辱だ。
でも店員さん、あんたの人懐っこさは接客業にはもってこいだ、畜生。


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大通証明サービス。
大通駅の付近にある。

しかし、証明サービス。なんとも、「つまり、何してくれるところ?」なにおいがする。
頭の中にはストーリーが拡がる。


私は大通証明サービスのスタッフ。ここには日夜、人生の“証明”を求めた胡乱な客がやってくる――。
ほら、自動ドアがぐん、と音を立てて開いた。立っているのは、如何にも「人生に疲れました」って顔をした中年男性だ。頬は痩せこけ、何年も使い続けてきたのだろうカーキ色のコートは、すっかりくたびれてヨレヨレだ。
でも、その瞳には――まだやれる、まだ、やれるんだと、希望を求める貪欲さが見て取れる。決して胸を打つ輝きは無いけれど、火花をまき散らしてなお燻るねずみ花火のように、しぶとく現世にしがみついている。

「いらっしゃいませ。大通証明サービスへようこそ。今日のご用件は?」
何百回、何千回と繰り返した事務的なご挨拶だ。冷然を努めて発音するが、目の前の疲れ切った中年男性を前にして、口の端が上がるのをこらえきれない。
「――頼みます」
男は、細く、頼りない声を出す。
「頼みます、私の――」
ほら来た。
「私の、生きている証明を、ください」

カウンターの裏に置いているキャビネットを探るふりをしながら、私は心のなかで身悶える。
あはは。
陳腐なせりふじゃあ、ないか。
生きている証明だなんて。
でも、ヨレヨレ中年は、それを必死に、真摯に、求めているのだ。
おかしいったら、ありゃしない。

「承りました、お客様――」
しかし私はプロだ。せっかく来て頂いた顧客を、はっきりと、嘲笑うわけにはいかない。事務的で、或いは事務的すぎて冷徹ですらある、お固い受付係を演じて、私は次の文句を告げる。
「生きている証明、それは全ての人類に与えられるべき最低限、且つ最大限の権利です。でき得る限りお力になりましょう。まずは――」
ヨレヨレに向けて差し出すのは、“お手続きの前に”と書かれたA4の紙、たった一枚だ。
「こちらの用紙に、お客様の情報を書いて頂きます。もちろん、こちらに書かれた情報は当社が認定されたJISQ15001規格に基き、第三者に閲覧されることが無いよう厳重に保護されます」

ヨレヨレがフラフラと、油性ボールペンを手に取る。その間じゅう、私は彼を観察する。
さあ、この男に如何にして生きている証明を与えよう。
手段は、無限だ。
彼のペンを動かす手が止まった時。それが、私の仕事の始まりを告げるのだ。



とか考えてしまうではないか。
何をやっているセンターなのだろう。


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札幌市内某ビルにて。

このようなサイトに来る読者の皆様であれば、特に注釈せずとも味わって頂けると思う。
 
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もし自分がその店員に遭遇して、同じようなフリをされても多分気付ける自信がないです…。
そして最後の画像、なんとも味わい深いw

posted by ハル 2010/10/06 21:43
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