やっと、『中央モノローグ線』を読了。
面白かった!中野、高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、西荻窪、吉祥寺、三鷹、武蔵境の8駅を題材にそれぞれ擬人化し、その日常をモノローグ形式で描いた、地味な漫画。
いや、ホントに地味なんだ。各駅にひとりのキャラだから、互いに全く接触しない。
全部のネタが、8人の「地域の特色に合わせたひとりボヤキ」で完結する。
そしてそれら、強烈な個性はないが不足も無い中野在住とか、劇団に入って数年経つが脇役しかやらせてもらえない西荻窪在住とかが、東京を知らなくてもなんとなく、中央線文化圏をうまーく表現しているような印象を持たせる。
ニクいのが最終話で、最後に中野在住のイラストレーター・なのかが、東京を出る前の思い出に、各駅を巡って他の7人とすれ違う。
本当にすれ違うだけだからやっぱり地味なんだけれど、妙にグッと来る。
作者の小坂俊史は4コマ王子とあだ名される程のスゴイ人だが、内容や文章はもちろん、「オチをつけた感」を見せるのが上手い。
この漫画の場合は、全く相互関係のなかったキャラ達が最後に邂逅すると言う「物語設定のスイッチ」にそれがあって、何も変わっていないのに何か新しい旅立ちを思わせるような良い読後感を残していると思う。
あと
吉祥寺の祥子さんが、非常に良い。
吉祥寺のエピソード、マジに池しか無い。
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オマケ:要らない地下鉄まであと、「7m」。
…………すぐそこ。
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