前記事に引き続き、神威岬にも嫌われる。6時33分。
覚悟を決め、観光地への立ち寄りと仮眠をいっさい諦め、泊村への到着のみを考えることにした。
眠ってしまわないようできるだけ景色にツッコミを入れていく。
トンネルが多いことは先の記事で書いたが、距離にも差異があり、200m未満の短いものから2000m超の長いものまで様々ある。確証はないが、20個前後は抜けてきただろうし、総トンネル走行距離は25000mを越しているだろう。
さて、そんな中で登場する「大天狗」なる仰々しい名前のトンネルだが、これが
600m程度しかない。一方では大森トンネルなんて当たり障りない奴が2300mくらいだったりするので、エッ、それでいいのか、天狗、いや、大天狗! と絡んでいくわけである。
更にマッカトンネル。徒歩で歩いては危険である。絶対マッカビームでお金盗む悪魔が出てくるはずだ。
天気は依然、好ましくない。北海道を象る海沿いの地形と山々が、幽玄さを持ち始める。
しかし時間を追うに連れて、気温と湿度は上がっているようだ。神恵内の道の駅「オスコイ! かもえない」に差し掛かる頃には蒸発した水分が非常に濃い霧となり、けれども冷え切ったトンネルは寒いままで、こうなるとトンネルを抜けるなり
ヘルメットもメガネもサイドミラーも全部真っ白になると言う、恐ろしい事態に見舞われる。
本当に、何も見えなくなるのだ。白い画用紙を貼りつけたメガネを掛けさせられるようなものである。
幸いなのが交通量が少ないことで、道路脇に停車して蒸気を拭き取りつつ、どうにか進んでいくのであった。
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