以前見たうち、短めの夢。
1.
下水道氏はいかにも冴えない中年会社員だが、社員の辞表の提出に立ち会うと言う役職についている。その日は若い男性社員が辞職したいというので、屋上へついてくるよう促した。
屋上へ行くには、狭苦しい円筒の中を、はしごで上る必要がある。内部はすっかり錆びついており、裸電球が途中途中についている以外に大した装飾もない。
はしごを上がりきり、ハッチを開けると――不機嫌そうな顔をした相撲力士が、下水道氏と男性社員を見下ろし、睨みつけていた。辞表は必ず彼に渡さなくてはならない。下水道氏は、それに立ち会う役職でしかないのだ。
2.生徒会のうるさい名物男子。
卒業とともに廃校になる中学。
生きるかどうか迷っていた人形。
そばを待っていた男は最期に光る顔を見た。
少しずつ口を開く人形。
その高校では人形を与えられ、その表情で地位が決まるのだ……※ メモに取っていた原文のママ。完璧に意味不明。3.
「夫の不倫を知り、失意のうちに死んだ女の幽霊が、夫の愛人を呪って苦しめる怪談があります。小泉八雲はなぜ女幽霊は夫を呪わなかったのかと妻に聞いたところ、“それは男の人の考え方です”と返されたそう。――もしもこの幽霊が両刀使いで、夫の愛人とも関係を持った三角関係だとしたら? 幽霊はどちらを最初に呪うのでしょう?」
そんなことを言いながら、怖い顔をした女が華奢な女学生の指を一本ずつ折っていく。女学生のほうはと言うと、これがまったくの無反応だった。
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