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◆ 最近は、体と生活リズムが壊れてるところです。 (2012/09/23)
 
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ウィキペディアのパロディであるアンサイクロペディアは、百科事典ならぬ八百科事典とも自称しており、ウィキペディアの書式を用いてウソの情報ばかりを載せているサイトだ。
ウソと言ってもただのデタラメではなく、事実の誇張であったり、風刺であったり、時折センスの良い記事があって、たまに見ると面白い。

例えば頑丈さと燃費の良さで知られるスーパーカブは、最初の段落から「スーパーカブ(Super Cub)とは、本田技研工業が販売する世界最強の二輪装甲車である。」と始まる。
その頑丈さたるや「爆弾が直撃しようが、火口に落ちようがキズひとつ付か」ず、万が一損傷があっても「赤チンを塗っておけば一晩で治る」らしい。

更に郵便配達に使われるMD90は、より頑丈さと運搬の専門性を高めたため、「百七十二名まで乗車でき」「空を飛ぶ程度の能力を持」つと言う。

しかし中でも面白いのは、『たらいまわし』だと思う。

 
























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また、アンサイクロペディアの特徴的なのは、内容が面白ければ、個人的主観が含まれていても構わない、と言うところだ。
実を言うとね、昨日、感動しちゃった記事があって。






かつあげ君。


いや、まずかつあげ君って漫画、知ってる?
ホントは知ってる? って言うのが失礼どころじゃないくらい、日本の4コマ大衆誌の代表的作品なのよ。と言うか作者の平ひさし自体、植田まさしやいしいひさいちと共に、4コマ漫画業界を支えてきたと言ってもいいくらい。

マジで、平ひさしがいなかったら『けいおん!』は無かったかもしれない。

ざざっと、どんな漫画かを紹介すると、サングラスと帽子と低い身長が特徴のチンピラ・セコ政と、彼を兄貴分として慕うチョビヒゲのキザなノッポ・ダサ松が、大なり小なりの悪事に手を染めながら日々を生きていくブラックギャグ漫画。
1981年から2009年まで28年もの間、起承転結が正しく活かされた正統派4コマとして、『まんがタイム』に連載され続けていた。

晩年こそ時勢からあまり過激なネタもできなくなったため、非常に面白くない薄っぺらな漫画になっていたが、最盛期は、

(安アパートで寝転がるセコ政)
ダサ松「兄貴、家でゴロゴロしてないで何かでかい事やりましょうよ」
セコ政「確かに体もなまってきたな、よし、一発決めてくるかあ」
ダサ松「やったー!」
(留置所で寝転がるセコ政)
ダサ松「結局変わらないもんなあ」

と言うような、「ああ、実際ホンモノなのねこの人達」と言うマジ犯罪ネタも描いていたもので、実際なかなか面白かったのだ。


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さて、そんなかつあげ君を題材に「感動」できるくらいなのだから、アンサイクロペディアの記事がメインに据えたのは具体的な作品内容ではない。
女性読者の参入に萌えブームの到来と漫画業界が変化していく中で、古臭く、犯罪ネタも封じられたこの作品がそれでも連載され続けたことへの賛美が書かれているのだ。

《以下、記事の要約》

1990年代初頭、4コマ漫画界に一大革命が勃発する。
「4コマ漫画なのに絵が上手い」。
今から見れば1980年代の4コマ雑誌において、上手い絵とはほとんどありえないものであった。おとぼけ課長の絵ですら上手いと思われた時代であった。

突如現れた諸作品は、4コマ雑誌に若い女性と言う新しい顧客を取り込み、結果、雑誌から男臭いネタやキワどいネタを駆逐していった。更に作者にも徐々に女性が増えていくこととなり、あわせて、女性らしい、登場人物の心情に一歩踏み込んだストーリー漫画形式の4コマが主流になっていった。

1990年代半ばになると、まんがタイム発足後に育った書き手達が雑誌のレベルを支えるまでになり、また読者投稿からも現在の芳文社を支える数々の4コマ作家が羽ばたいた。
新しい4コマ文化が花開き、新しく雑誌も創刊され、顧客層は一般成年層から全世代へと広がっていくことになった。

しかしそれは、古い固定客と漫画家を切り捨てることに繋がった。
王道路線を歩んだ作家の多くは、新しく登場する作家たちの整った絵と現代的な笑いについていくことが出来ず、連載を終了することになる。

かつあげ君も、当初の犯罪4コマから徐々におとぼけを主体にしたやわらかい作品へと変化せざるを得なかった。2000年代に入ると掲載されるのは常に巻末。内容は古臭く、新しい話題は少なく、なぜ連載しているのかワカラナイ作品となっていった。

時代はネタを受け付けなくなっていき、そして作者もまた年老いていく。
もっとも、栄枯盛衰は世の習い。むしろ、衰えたからこそ、生き延びること、連載を続けることもまた表現である。世の中は面白さだけじゃ面白くない。ひっそりと生き延びることで、4コマ漫画界の20年選手たちは雑誌を支え続けていくのだ。

かつあげ君もまた、その後の萌えブームの大波にさらわれた結果、完全に時代に取り残されることとなる。
そしてそれゆえに、まんがタイムを守ることになるのである。

★★★

2002年、まんがタイムきららが創刊し、4コマの世界をストーリー4コマが席巻した。
これは4コマを組み合わせて全体で一つのストーリー漫画を構成する形式で、逆に言えば一つのストーリー漫画を4コマごとにばらすことで形成できるという、ある意味新しい4コマ作者を獲得するには画期的なシステムだった。

が、そのブレイクスルーは4コマの面白さを薄くさせる結果にもつながった。
ストーリーの展開上、「笑い」だけでは出来上がらず捨てネタを組み込まねばならないため、王道路線との間に大きな溝ができてしまったのである。
さらに、ストーリーさえつじつまがあえば笑いはどうでもいいがごとくの作品を連発した結果、大正時代から連綿と続いてきた日本の4コマ文化は危機を迎えることになる。

4コマ漫画が全ての年齢層にいきわたり、大量の顧客を獲得。新規参入もほとんどない業界に何が起こったか。それは、実績とノウハウではどうしようもない事態、「飽和」が始まったことを意味した。

客が増えると4コマ作者に負担が多くなる。作者のセンスだけで切り売りしていた時代は過ぎ去り、一つのストーリーとそれに感動する顧客、そしてもっともっととせがむ客。恐るべき「客の期待」が看板作者を押しつぶし、同じような内容、同じような絵柄、ストーリーの作品群が競争を阻害。若手の作者の力量を削いでいった。

さらに間の悪いことに、まんがタイムきららの創刊はインターネット文化の隆盛とかぶっていた。二次創作による原作破壊や作者へのバッシング、絵が上手いだけで常識に欠けた作者の登用による諸問題など、それまでのノウハウではどうしようもない事態が続出した。
雑誌自体は大ヒットしたにも関わらず、まんがタイムきららは迷走を続けるのであった。

★★★

そんな事態から芳文社を救ったのが、おとぼけ課長であり、あさかぜ君であり、かつあげ君であった。
時代に取り残されていた王道路線の4コマの存在は、勢いだけ、絵の上手さだけの作品が雑誌の枠を超えて進出するのを防ぐ「防波堤」の役割を果たした。
時代に流されずに自分の表現を貫き通す姿勢が、一時の流行に右往左往するようなことはなかった。

王道漫画の排除は20年以上にわたって雑誌を買い続ける読者の排除を意味していた。そして、きらら系の萌え絵はそれら王道の絵柄とは相容れないものがあった。この段階で諸作品と作者は狂熱から守られていったのである。

その後、まんがタイムきららは同系統の雑誌を3つ創刊。あわせて漫画の質の向上も行った結果、ようやく暴走を制御することに成功した。顧客も雑誌の成熟とともに沈静化、逆にオタク文化の主流を担う雑誌として海外にまで販売を展開するほどの成長を遂げることになる。
そして2007年5月、「けいおん!」の連載が開始された。芳文社はついに暴走を乗り越えて、1つの財産を獲得することになる。



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と言うわけでやたら長かったんだけれど、原文はもっと長いのよ。

これがどこまで現状を言い当てた文章なのかは解らないが、でも、かつあげ君と言う本当に時代にそぐわない作品が連載され続けていたことが、なかなかにカッコよく見えてくる。
王道であり続け、「4コマ漫画の基礎」を提示し続けた事が、新しく生まれたものをも守ると言うドラマを感じる。

うーん、かつあげ君、読みたくなってきた。
さすがにね、古本屋廻るほかないから、集めるのは難しそうだけれど。
あと相撲漫画の傑作『よりきり君』ももう一度読みたい。昔あったんだよなあ。
 
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