ずいぶんとブログを放置していたが、なにをしていたのか。7月13、14、15日! 今月一番の山場がまずは終わったので、記そうと思う。
まず
13日。
この日はすすきので演奏の仕事があった。このために会社員側の仕事も前以て休み希望を出していたし、機材はぜんぶ現場のものを借りられる
(しかも個人的に所持している楽器と同じ、ローランドのFP-5)から、夕方までのんびりして、楽譜のたばを持っていくだけで良かった。
ここの仕事は、大体17時過ぎからリハをする。
客が入る19時前に終えて、第1ステージは20時40分。そのあいだは控え室でだらだらとしたり、ご飯を食べに行ったり、頼まれごとの動画編集をしたり、まんだらけに行ったり、とにかく好きに過ごす。
第1ステージが終わるのが21時15分頃。次のステージは22時30分だから、やっぱり、だらだら過ごす。
と、その待ち時間のあいだに別の店で1ステージやってきたドラムの人が「外、降ってますね」と言いながら帰ってくる。
マジで?天気予報は見ていなかった。何となく日中晴れていたからバイクで来たが、夜から……向こう3日間降る予報だったのだ。
酔客と、知ったホステスしかいないヌルい内輪向けステージを終え、
この注意書きがバンドマン向けであることに今更気づきつつ、23時15分、外に出ると――雨だった。すぐ1丁ぶん東の、違反駐輪にならない通りに置いたバイクの水滴を手で払い、帰る。
雨の日の50ccは、とても心細い。
信号待ちで、ニュートラルで停止させていると、すぐ冷えたエンジンが止まってしまう。仕方ないからハンドルを回して、ブロロロ、とふかす。いきがっているみたいになるが、一度エンストするとぐずつくので仕方がない。
まるごと水洗いのできる安物のスーツで助かった。全身びしょ濡れになりながら、30分の帰路。
途中立ち寄ったコンビニで、
この生き物の脳天気さにムカついた。
14日。出社は9時だが、起きたのは8時16分だった。月の初めにひいた風邪は完治しておらず、喉は痛く、体はだるい。更に良くないことに、雨は昨夜より尚強く降っていた。
いつもの通勤経路は、屋根なし月額2000円の駐輪場にバイクを停めるまで25分、そこから歩いて会社へ5分。また雨の中をエンストに気を遣って走るのは気が引けたから、とりあえず最寄りの地下鉄駅までにした。
大通駅を飛び降りて外への階段を駆け上がると――
この度の長雨、一番の土砂降りだった。路面は道行く全ての人を逆さに映し、地上1mに淡く煙幕が舞い、湿度は高く、温度も高く、札幌じゅうが逃げ隠れの出来ないぬるめのシャワールームになっていた。
土砂降りの中を走ると、『火の鳥』の八百比丘尼の話を思い出す。
思わず「わああ」と言いながら駆けてみたくもなりながら、歩道を走り、横断歩道を駆け、そして洗濯したてのワイシャツはやっぱりびしょびしょになった。
高校生以来じゃないだろうか、こんなに全身に雨を浴びたのは。
私のいるチームは男しかいない気楽な部署だから、出社するなり「やあい」「やあい」と馬鹿にされた。
当たり前のように20時過ぎまで残業をしながら、15日のことを考えていた。
15日は、こちらはまた演奏の仕事で、赤平市の祭に出演しなくてはならない。
しかし運転役がその翌日、16日に今度は遠軽での仕事があるから、バンドメンバー2人の札幌送り迎えを私がすることになっていた。
いま私の住む家に、車は無い。いつもこういう時は実家から借りている。
つまり、今日一度実家に帰り、翌朝車で札幌に戻り、そのうえでメンバーを乗せて赤平に行き、更に札幌に帰り、夜遅くに実家へ車を戻しに行かねばならないのだ。
それは、
北海道のこの辺りで行われる移動だ。
札幌から、JRで三笠へ(札幌~岩見沢/特急1410円)。
車に乗り、三笠から札幌市白石区の自宅へ行き、楽器を積込む。約1時間。
豊平区へ移動。メンバーと合流。
赤平市へ。約2時間。カントリーサイン5個ほど通過。
あとはミッション完了後、おおよそこの逆をたどる。
20時20分。「そう言えば、用事あったんだよな。帰って、いいぞ……」上司に渋く送り出され、朝にずぶ濡れになった服のまま、特急スーパーカムイに乗る。
岩見沢駅から父親の車に乗り、実家へ。酒を浴びて、寝る。
15日。
まず白石区の自宅に立ち寄る。積み込むのはピアノ、ペダル、電源アダプター、スタンド、折り畳みイス、楽譜。ピアノは88鍵25kgというあまり頻繁に持ち運びしたくないサイズなのだが、前に記事にしたとおり、小学二年生の幼女を祭に連れていってやると思うことで事なきを得ていることにしていた。
しかしそれはそれとして、ふと気づいたことがあった。
ステージ衣装も、スーツなのだ。びしょ濡れのワイシャツは実家の洗濯機に放り込んだので、いまちょうど干されているところだろう。じゃあいま、自宅には着れるシャツ、あっただろうか?
無かった。
こちらは、洗濯機に、放りこんでそのままだった。ううん、生乾きというか、
生濡れている臭いがする。とりあえずシワとニオイ取りのスプレーを死ぬほどかけて、合流場所にて、干した。
意外と、なんとかなった。続く。
PR