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◆ 最近は、体と生活リズムが壊れてるところです。 (2012/09/23)
 
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「世界樹の迷宮キャラスレまとめサイト」では、中の人だよってしょっちゅう公言してるけど暗黙の了解で同一人物とはされない、みたいな立場を目指しています。

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――するとね、受話器から声がするんだ。「私、リカちゃん」って。
「私、リカちゃん、いま公園にいるの」

公園? 人形の持ち主は予感したさ。私のマンションの近くにある、あそこかしら?
不安に打ち震えていると、またも電話は音を鳴らす。
「私、リカちゃん、いまマンションの前にいるの」
ああ、やっぱりだ。“彼女”は徐々に近づいているんだ。

次なる着信はエレベーターの中からだった。
そして、
「私、リカちゃん、いまあなたの部屋の前にいるの」
冷たい汗がつう、と背中をなぞった。
体中の血が逆流しそうだった。ああ、とうとう、来るんだ。
「私、リカちゃん――あなたの、後ろに、いるの


さて、ここからが問題だ。
怪異には役割がある。リカちゃんの役目は、徐々に標的に近づき、最終的にはその背後を取ることにあった。
しかし。“彼女”には、その後の行動が定義されていなかったのである。
(ええと、後ろに、いる。うん、そうだな。ここまでは間違いない)
リカちゃんは何度も、自分の行動が間違っていないことを確認した。
(で、どうする? 火を放つ? 刃物で刺し殺す? なぜ。別にこの人に恨みはないぞ?)

リカちゃんが捨てられたのは、持ち主が成長したからに過ぎない。また捨てられたと言ってもホビーオフに売り飛ばされただけだったし、店員さんには綺麗にしてもらったうえ、仲間の多くいる棚に並べられ、以前よりも充たされた日々を感じていたくらいなのだ。

「ええと……」

以前の持ち主は、恐怖に満ちた表情で“彼女”を眺めている。悲鳴も出ないようで、ただひゅうひゅうと、荒い呼吸を繰り返しているだけだった。
「ええと……その」
リカちゃんの頭には、何もアイディアが思いつかない。だから、

「その……まあ、そんな感じで、お送りしましたぁ……」

帰るほかなかった。


降りていくエレベーターの中で考えていた。
たぶん他の奴らも同じなのだろうと。

ターボばあちゃんも、バイクを追い抜かしたあとは何も目指すものが無く困っているのだろう。誰もゴールテープを用意してくれてはいない。
交差点を横断しつつ「見えてるんだろ」と通行者に声を掛けていたアイツも、見えていたからどうなのかと聞かれれば、答えられないに違いない。
カシマレイコは切断した脚の処分に疲れ果て、今は手刀で切るフリをしているだけだと言う。

こんな時は、小豆洗いさんの家にでも行くに限る――

そう考えていると、エレベーターはボタンを押してもいない階で停止した。扉が開くと、黒い前髪を鼻先まで垂らした陰鬱な女が乗り込んできた。

(ああ、コイツは――)

彼女は、8階までしかないマンションだと言うのに、臆面も無くこう言うのだ。

「あの……9階を押してくれませんか」
「すいません、このエレベーター……下行きです」
「…………」
「……どこか、適当な階押しますか」
「いえ……いいです」

結局私たちは、二人で小豆洗いさんの家に行き、あずきが洗われる音を聞き、帰りはドトールでコーヒーを飲んでからメリーさんの家に泊まりこんで朝まで愚痴り合いと恋話に花を咲かせたのである。
 
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