ふと懐かしく感じたのが、小学生の頃読みふけった「ほんとうにあったおばけの話」シリーズである。学校の図書室に置かれており、何人かの男子が肝試し気分で借りて、熱中していたと思う。
ざらざらとした紙の触感、平仮名まじりの、平易ですかすかな文面。明朝体の冷たさと、個性的な挿画。そう言ったものが、当時体験していた夏の雰囲気を伴って、懐かしい記憶になって溢れてくる。
内容は、何せ表題からしておばけの話だから、殆どが他愛も無い幽霊譚だったはずだ。部活動中に死んだ生徒が夜中にグラウンドを走っているだの、うるさい隣人に腹を立てるが誰も住んでいなかっただの、更には定番どころの「青い紙赤い紙」や「海面から無数に生える白い手」だの、よくあるエピソードが多くを占めていた。
ただそれでも小学生にはじゅうぶん刺激的であったし、何より振り返って興味深いのは、稀に歴史ある妖怪も登場していたことだ。私が「ヒダル神」を知ったのは、たぶんこの本からだと思う。
ところで、だ。
こうも懐かしんでみると、読みたくなってしまう。
ノスタルジーもあるのだが、どうも頭にひっかかって離れないワードがあるのだ。
『マンボエー』曖昧な記憶なんだけれども、墓かどこかから、夜な夜な「マンボエェ、マンボエェ」と聞こえてくるってエピソードがあって、「そこはマンボエー塚と呼ばれています」と言うオチもあったかどうかってな話だったと思うんだけれど、いかんせん、検索で出てこないんだよ、マンボエー。
確か、マンボエーだと思ったんだ。
いったいなぜそんな声が聞こえ、そもそもどんなシチュエーションだったのか。これを突き止めたくて仕方がない。
札幌中央図書館のサイトで調べるとあると言うから、うう、行くか。遠いんだよな。何で札幌中央図書館なのに南22条にあるんだよ。返すのは大通駅の地下だから良いんだけど。
くそう、マンボエェェェ!
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