一大歓楽街すすきのを擁する札幌市は、ずっとずっと、キーボーディストの不足が叫ばれてきたが(代わりに大量のギタリスト)、いよいよその実態も惨憺たるものになってきたようで、今年の私は以前よりも演奏仕事を頼まれるようになっていた。
収入的には完全に副業どころか片手間レベルのものだが、定職の合間に用事をつぎ込んでいくものだから、比較的忙しく過ごしたものである。……特に夏!
地方の夏祭で、よくは解らないが、なにやらバンドが懐メロを歌っていくのを見たことがないだろうか? あの裏で動いているイベント屋が見知ったボーカルなどに声をかけ、ギャラを提示し、そのボーカルから演奏屋に「○日空いてる?」と声がかかる。
で、空いているというか休み希望を出して空けて、行くわけである。
8月は遠方での夏祭があり、朱鞠内湖やせたな町などに行く。
どちらも、札幌から出発すると200kmを越す道のりだが、なぜか3時間4時間で会場入りするスケジュールが組まれる。ましてや、せたな行きの日は8月13日。お盆の渋滞をまともに突破できるわけが無いのだ。
それでも4時間そこそこで目的地に着いたのだから、どんな走り方をしたかって、幾ら高速を一部利用したからって、なんというかマトモなアレではなかったはずで、それは特に秘す。
仕事とはいえ夏祭に行くのだから、ある程度そこの露店は見ておきたい。写真はうにおにぎりと焼きそばを売っていた屋台のご主人。ブログに載せるねと言ってから日が経ってしまいました。
うにおにぎりと、ホタテの唐揚げ。ビールの合いそうな味でした。
そして更に豪華な仕出し弁当。
地元の仕出し弁当にお茶、は結構つきものだが、プラス屋台の食べ物セットでかなりのボリューム。というか、2食分。というか、しまった、ここでもおにぎりか、みたいな。
やっぱり食事は遠方での楽しみのひとつなので、いっぱい出てくると、なかなか盛り上がる。
たとえば倶知安のダンスパーティ(まず倶知安でダンスってなんだよという思いはなくもないが)では会場となるホテルで牛丼を食べさせてもらえたり、
変わった所ではボジョレー解禁記念の立食パーティで、終演後に残った食べ物をもらえたりする。テレビ局のADさんか。
なにより、料理を作ったコックさんたちがみんなで食事しているって、面白すぎる。
いずれにしても食事が終わればお昼寝タイムが来る。手前で寝ているのは札幌のドラマー、龍一さん。すすきのビートガレージ他で活躍中。
ビートガレージと言えば、ピアノの席が「オレの秘密基地」という感じで良い。電源タップがどれがどの機器なのか解らなかったり、壊れたボールペンやらが転がっていたり、オルガンのミの鍵盤が壊れて鳴りっぱなしだったりなどする。
席に座るとこんな感じ。
細かい操作不可能。
と、演奏旅行の体験を記事にしようにも、そういえば肝心の本番演奏中は自分は弾き手なわけで、写真が一枚も無いのである。昼寝をしたと思ったら、あとはギターのこうじさんが定山渓のコンビニで猫を構う写真しかなかった。
朱鞠内の話。
湖畔の祭ということで、今年はビニールの球体に入って湖上を歩ける水上歩行体験が目玉であった。
しかしどうも見る限り、バランスを取るのはかなり難しいようで、1000円払って5分間コケ続ける子供が大量に発生。上記写真もなんだか、牛鬼様の生贄に流されて行く娘と母親みたいになってしまった。
それにしても地方の祭は怖いもので、結構そこかしこで500円以上の買い物で抽選券1枚発行、なんてことをやっていた。花火大会の前に抽選会が行われるのだが、その景品がなんとも恣意的である。
ダントツ気合が入っていたのがこの朱鞠内の祭で、20位から11位までは枕だとか、ある程度地域色を出すにしても幌加内そば(名物)だとかでも、1位に近づくに連れ「朱鞠内湖畔キャンプ無料券 炭6kgつき」だの「○○商店街商品券」だの「朱鞠内のホテルペア宿泊券」だのと――戻ってこさせる気がありありと出てくる。
そもそも町長さんの挨拶からして「とうとう人口が○人を切りました! 過疎化の一途を辿るこの町に、祭をきっかけに少しでも――」と、割と必死さが出ていたような。
来年はどんな営業があるか。
正直メンバーは車がないどころか免許を持っていない人もいるので、毎回私が運転することを考えると、今年くらいの分量でじゅうぶんだと思う。
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