久々の連休だったので、実家に居る。
この町の良いのは、古本屋の多い事だ。
キャラクターも中庸、大型、掘り出し物とうまく分かれており、都会で無いぶん駐車もしやすくて良い。
今日の買ったもの・吉田戦車のゲーム漫画大全 (兄) /吉田戦車
つい、懐かしさのあまり。
吉田戦車は任天堂をネタにゲーム4コマをかなり描いており、本書はその再録版と言ったところ。それでも6年前の本だが。
中学の頃、同ジャンルの「ゴッドボンボン」を友人の家で借り、吉田戦車と言えば「伝染るんです。」と「くすぐり様」しか知らなかった母に勝手に読まれ、「よく解らなかった」と感想を受けた覚えがある。
今見ると、やっぱり独特だ。
体がヨッシーで頭が井上陽水な“井上ヨッスィー”ネタを描いた桜玉吉や、嘘ドキュメントタッチでサウナに入るマリオを劇画で描いたしりあがり寿も大概だが、吉田戦車はどうやって「ポリゴンを食べるLさん」や「おでんの具を尻からひりだすカービィ」や「坊主頭でニキビ面のリンク」や「相撲部に入部した写楽保介」などを思いついたのだろう。
でも、それを上回るイメージ破壊の王者は沢田ユキオだろうなあ。小さい頃嫌いだったなあ。
ところでなんで裸なんだ、マリオ。
・さくらんぼ論理/川島よしお
ひどい。
川島よしおは近年ファミリー誌で見て、まったりとしたギャグではあるけれど、「こいつ絶対小さい女の子の描き方にこだわりあるな」と言う絵の印象があったのだが、本書は99年と言うパラダイムシフト起きかけの時期に出てしまった、不条理+変態的な少女描写の燃えカスである。
ギャグの質も相原コージ(コージ苑、かってにシロクマなど)に近いと言うか、ちょっとソレに三ッ森あきら(Let's ぬぷぬぷっ、雀バカ三姉妹物語など)が混ざってきたみたいなどうでも良い感じ。
ただ、絵だけは妙に丁寧で、面白くはないけどとりあえず読みきることはできる。
ネタとしてはペニスバンドをつけたメガネっ娘が「船がディルド~」と言いながら船頭してるとか、そんなの。
50ページに1回くらい、笑える。
・中央モノローグ線/小坂俊史
まだ読んでないが、もしや東京モンでないと魅力半減の漫画ではないのか。
中野に住むイラストレーター“なのか”を始めとし、中央線沿いに住む女性の日常生活をボソボソと描いた4コマ漫画。
・ストロベリーシェイクSweet/林家志弦
ほう、こう言ったジャンルは初めてだな、ちょいと手に取ってみようか、と思って手に取った3冊が立て続けに「百合姫コミックス」だったので愕然としたが、その中の1冊。
まあ……いいじゃない。
エロだろうが恋愛だろうが、あんまり青臭いのを出されると苦手だけれど、とりあえずコレはコメディを多分に絡んでいたので、面白かった。
どこかのページで既に描いていた事だけど、「女の子×女の子! OK! ズガンズガン!」ってのが好き。もちろん男×男でも、男×女でも。
・事件の地平線/とり・みき
ああ、別に、面白くは無い。
・金魚屋古書店/芳崎せいむ
あああああ、やられた。
面白い。コレは今日一番の当たりです。
1巻、2巻をおためしに買って帰ってきたあと、再度同じ店に行って3~9巻と“出納帳”上下巻も買ってきてしまったくらい、やられた。
どんな本でも見つけることができる「漫画専門の古書店」を中心に、本を巡って起こる人情劇。
ただ、その漫画と言うのが全て実在するもので、「ゴルゴ13の熱心な読者が“海へ向かうエバ”の収録された本だけを買わなかった、その理由」とか、「海外の日本人旅行者の間で行われた、持っている漫画を交換しあう遊びで巡り巡ってきた“孤独のグルメ”」だとか、地味~に面白く、時々グッと来るエピソードが見られる。
登場する本がただのマクガフィンである話も存在するが、キャラクター設定も良く、特に「セドリ」(安値がつけられた価値のある古本を、価値が解る店で売る事で利ざやを稼ぐ職業)の男女の話や、少女が父親を追って印刷所を見学する話が、なかなか好奇心を湧き起こさせる。
基本的に漫画マニアのおはなしなんだけれど、良い具合に知っている漫画が話題になってドキッとする。
「闇のパープル・アイ」のエピソードで、篠原千絵イラスト集まで話が及ぶとは。
漫画好きにおすすめ。
・諸星大二郎 ナンセンスギャグ漫画集 珍の巻 妙の巻
く、くだらねえ!
「珍の巻」に収録された“無題”は、ナンセンスギャグと、小泉八雲の「茶碗の中」を読んだときのようなブッタ斬り感がたまらない。
焼酎呑みながら何か漫画を見たいって時におすすめ。または、お金に余裕がある時に買うべし!
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