かりあげクンベストセレクション やっぱり、植田まさしってスゲエと思うんです。かりあげクン、単行本は持っていないんだけれども、たまに読みたくなる。 ということでブラック編(意地悪ネタ収録)、ピンク編(お色気ネタ収録)に続きこれも買ったのだが、とりあえずこれら三冊あれば、かりあげクンを解った気になっていいんじゃないかと思う。 一番好きなネタは、電車内で新聞を読むついでに、折りたたんで箱状にして、水を入れて、中から花びらを出すという4コマ。いっさいセリフがなくて、良い。 |
吉田戦車のゲーム漫画大全 (弟) 兄編をだいぶ前に買ったから、いよいよ弟編も買うかと購入。ゲーム漫画は吉田戦車と桜玉吉がいりゃ充分という面白さがある。勿論、見る側がゲームをやる人だから面白いのであって、全く興味ないよって言ったら面白くもなんともないだろうけど。 ちなみに好きな漫画家のひとりである上野顕太郎もゲーム漫画を描いていたが、あれは、腹の底からつまらねえと思う。なんだか、苦笑いも出ないつまらなさ。 バイオハザードのエド・ウッドパロディと称して、墓石に「ジル・バレンタイン」と書いてるだけ、バイオとジブリのコラボで、メイが大グモに「あなたトトロって言うの!?」と問いかけて喰われるだけとか、つまらねえつまらねえ。 |
ヒメ・コイ 女子校で生徒に惚れすぎて恋愛修行に出された主人公と、世話役につけられた相棒と、そんな二人にレズ恋愛相談に来る生徒たちとのドタバタがテーマの百合ギャグ漫画。 騒がしくって絵柄もセリフもボロッボロに感じるけれど、間延びが無く、そこそこ面白く読める漫画。二人の主人公の仲がまったく進展しないのも良い。 作中はつまらん茶々入れが細かくあるが、気楽な百合漫画としては基準にあると思う。 |
顔のない女 殺し屋専門の殺し屋、“顔のない女”を主人公とした、幻想ハードボイルドなる珍しいジャンルの漫画。 顔のない女は「対面した相手の能力をコピーする」能力を武器としており、標的を影に取り込む“影男”を逆に影に封じたり、暗示の毒蛇で思い込みの毒殺を仕掛ける“スネーク”に、技を盗んだと見せかけ、本物の毒蛇をけしかけたりして任務を遂行する。 表面上かなりパターン的なコンセプトなのだが、顔のない女のぶっきらぼうなキャラが良く、標的を呼び出してから「どーしよっかなー、もうメールで呼び出しちゃったしなー」と戦略を考えたり、レストランの相席を求められてがっつきながら「……よそ行けよ」とあしらったり、何とも素敵な魅力を持っている。 特に、常に黒い帽子を深々と被っている、文字通り顔の見えない女なわけで、その割にセリフや仕草に熱情が見られるのが面白い。ラスト、標的から盗んだ「夢を見せる」能力を用いてラスボスに挑むのも、とても素敵だ。……1500円は高いが。 |
彼女のひとりぐらし これもコンセプト勝利。モテない26歳女性が、コンプレックスとだらしなさの中で独り言つぶやいて第三者には冷たくされて、それだけで終わる漫画。 周りは友人なり妹なり彼氏持ちで充実しているのに、主人公は病気に罹っても誰も助けてくれない寂しさや、ひとり酒で現出した腹肉のことしか考えられない。 つまり「ひとりぐらしにありがちなこと」を実行していく漫画で、ちょこちょこっと面白く、充分魅力的という思いを持たせる。 2巻が出たらそれも読んでみたい漫画。 |
ヨコハマ買い出し紀行 文明が終わりに近づき海と木々に囲まれたヨコハマで、客の来ないカフェを営むロボット・アルファさんの暮らしっぷりをだらだらのんびり描いた漫画。 変わらないアルファさんと成長する子供たちの対比、活き活きとしたバイク描写、じんわりと来る良い作品。 新装版全10巻。 |
菫画報 純情可憐なのに傍若無人な文化系女子高生・スミレが騒動を起こす漫画。朴訥とした画風と、時折見せるとんでもない不条理、日常のそばでごくごく自然に佇んでいる非日常の描写がたまらなく良い。全ての文化系男子の理想。 全4巻。 |
へうげもの 戦国時代の茶人・古田織部の活躍を描いたお茶漫画。 武人として生きる一方で、創作者として悩む葛藤がとても面白い。たぶん日本一、千利休がカッコいい漫画だろう。 勿論利休死後の、「甲でなく乙」なセンスで遊ぶ織部も好きだ。 11巻続刊。 |
金魚屋古書店 実在の漫画を題材にしたヒューマンドラマ。 物語としては安定した、そこそこのヌルい展開なのだが、キャラクターの人生を実在の漫画に照らし合わせて楽しめるので、読んだ後はどうしても「ああ、漫画は面白いなあ」と思わされてしまう。良い漫画。 11巻続刊。 |
庭先案内 日常を舞台にしたほのかなSF漫画。面白いし、泣ける。少女も爺婆もオカマも全てのキャラクターが愛を持って描かれており、全編がなんとも温かく優しく、しかし不思議なムードを持っている。 同作者の作品では『ナナカド町綺譚』『アクアリウム』もオススメ。 全6巻。 |
第七女子会彷徨 制度によって「友達」になった2人の女子高生が、科学が発達したゆえの非日常をだらだらと過ごす日常系SF漫画。 丁寧な絵柄なのに、妙に寂しく孤独な画風がすごい。 3巻続刊。 |
中央モノローグ線 中央線の駅の特色をそれぞれ女性に擬人化し、それぞれに生活の独り言を言わせるだけの、ものっすごい地味な4コマ漫画。 全体的に落ち着きまくっていて、ナレーションばかりで殆どセリフもなく、それぞれのキャラクターが直接絡むこともないのに、それでもただ生活するだけの新鮮さと面白さ、そして作者の秀でた感受性が楽しめる。 全1巻。 |
もののけ草紙 墨絵のぼってりとした感触が特徴的なホラー作家、高橋葉介の漫画。 千里眼や妖術で各地を渡り歩く女芸人・手の目(てのめ)が、様々な怪異をきっぷの良さで駆け抜ける和風ホラー(戦前後の日本~上海が舞台なので、和風らしさは薄いのだが)。 作中で成長する手の目は、チャキチャキ江戸っ子な和装美少女~妖艶且つ肝の据わったドレス美女、共に魅力的に描かれているし、ひとつひとつ怪異がセンスに溢れている。 3巻続刊。 |