活字読んでねえんだ。
まず活字って何だ、字の、何なのだ。
元は「活版印刷に使われた字型」って意味らしいですね。でも今は「印刷した字」は全部活字でいいらしいです。
でね、そう、文字を読んでない。小説や、エッセイや、詩を読んでない。
しばらく漫画の豊富な古書店とか、まんだらけとか入り浸ってたからね。語学の能力が、めっきり落ち込んでしまっている。
いや、ね。やっぱり漫画と小説は違うよ。漢字や言い回しは漫画でも十分学べるけど、状況を説明する文章は小説のほうが強いから。
まず、何で俺の本棚にはこんなにも小説の類が無いのか。
あー、そうだ。
以前金に困った時に、手持ちの本たくさん売ったんだ。
取り戻したのは漫画だけだったんだ。
今はね、お金に困っても本を売るのはやりたくないな。
要らない本って無いもの。
面白くない漫画でも、たぶん再度読んだらまた違うはず。
ああ、面白くないついでに書くわ。
先月くらいに買った『ネムルバカ』(石黒正数)。
アレ、俺は気に入らない。イマイチ。
ジャケットの文とかPRだと、理想に向かって突っ走りたいけど何かそうも行かなくて、夢と現実ってやっぱりちょっと違ってて、みたいな、そう言う精一杯なのに形にならない青春のモヤモヤとか、そう言うのを謳ってるじゃん。
その割には大して挫折してないんだよ、この漫画の登場人物。
ちっともダメじゃない。順調すぎるんだよな。
せっかく主人公が金欠キャラって設定なのに、しっぽと衣しか無いエビフライを作ったとか、ちょこっとバイトしたとか、その程度の事しか描いてない。
もっと、貧乏ってヒリヒリしてるはずなんだよ。
「コレ買ったらコレが喰えねえな」とか「アレを諦めたことにしてソレをするかな」とか、スリリングな取捨選択があるんだよ。寧ろ貧乏が故の東奔西走に尽きる。
それが、無い。
「生きるって、得たり失ったり、どうでも良い事で悩んだり、命賭けたり、そういう事ってあるんだなあ」と言う感覚が無い。
一般的にこの漫画は、大学生の悩みあり仲間との馬鹿騒ぎありの青春をリアルに描いた作品とされているが、そんな事は無い。
全ッ然、リアルじゃねえと思う。
単にバンド組んでる女子大生が「壁があるなあ、これどうやったら越せるかなあ」とか考えて、とりあえず自分ができることやってたらうまい事流れができてトントン拍子にデビューしました、でもそれってホントの幸せかなあ、と、そう言う話。
その後のオチの、フイ、と放り投げられた感覚も含め、青春どうこう、可愛い女の子どうこうじゃなく、
怪談話に分類すべきなんだ、この漫画。
……と思っているので、日にち空けてもう一回読んだらどうなんだろうって事ね。案外面白いかも知らん。
というわけで今本棚にあるのは、小林賢太郎戯曲集、星新一の文庫が幾つか、江戸川乱歩傑作集。
あとは――椰子・椰子(川上弘美)とか、新解さんの謎(赤瀬川原平)とか、女子中学生の小さな大発見(清邦彦)とか。
また色々集めないとねえ。
余談だけれど、俺がネットを始めた頃からずっと見てるサイトと言うのがあって。
本読みHP。
いわゆる活字中毒の人が色んな本や、出版業界の事についてコラムを書き連ねるサイトです。
ここ5年くらいブログでの更新ばかりになっているけど、「読書感想文は1行あれば書ける!」なんか、古い文章でもオススメです。ホント面白い、この人の文章。
ちょっとここで、何か面白そうな本でも探してこようか。
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