RPGの夢。
勇者たちがラストダンジョンへと足を踏み入れると、そこはモンスター達の湯治施設であった。
面食らうパーティだったが、その奥には間違いなくラスボスがいて、そこへたどり着くには施設の食事を口にし、施設の湯に入らなくてはならない。だが、幻惑で健康ランドの風景に見えていても、実際には腐肉を口にねじ込まれ、糞尿の壺に浸からされているのだ。
ラスボスにその事実を告げられ、思わず勇者が仲間のほうを振り向くと、そこにはクラフト地の紙袋が数個、器用にふよふよと浮いているだけだった。
仲間たちは施設の道中で事実に気づいており、その瞬間モンスター達の胃液で抹殺されていた。結局ボス戦についてきていたのは魔法じかけの紙袋だった。
ラスボスの狙いは、モンスター達に「RPG的なもの」を体験させることに過ぎなかった。
勇者一行を誘い込み、ダンジョンを攻略する勇者を演出するのが目的だった。
呆然と座り込む勇者の前に副ラスボスなる人物があらわれ、嫌な思いをさせたと壇上で謝罪を行った。そしてなぜか谷啓のギャグ「ガチョーン」で締めると、スタッフロールが流れだしたのだった。
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